月額変更届

 標準報酬月額は、毎年7月に行われる算定基礎届(定時決定)によって見直しがなされます。しかし、次の算定基礎届(定時決定)の提出までに、従業員の昇給または降給などで給与の額が著しく変動することがあります。こういった場合には標準報酬月額を変更しないと、実際に受ける報酬とかけ離れたものになってしまいますので、これを是正するため月額変更(随時改定)をします。

 

 月額変更(随時改定)が必要な時とは?

 3つの要件をすべて満たすときに月額変更(随時改定)を行います。

3つの要件とは・・・

①基本給等の固定的賃金に変動があった時や、時給制から月給制への移行等の給与体系の変更があったとき

②固定的賃金や給与体系の変更があった月から連続3か月間、報酬支払いの基礎日数が17日以上であるとき

③その3か月間の報酬の平均額に、今までの標準報酬月額と比べてみて2等級以上の差が生じるとき

 

 月額変更(随時改定)の届出

 月額変更届は、固定的賃金等の変動があった月から4か月目に提出します。たとえば1月支給分で昇給があり上記3つの要件を満たしていれば、月額変更届を4月に提出します。

届出書類・・・健康保険厚生年金保険被保険者報酬月額変更届
     ※5等級以上標準報酬月額が下がるような場合等は、別途添付書類が必要になることがあります。
       賃金台帳、出勤簿、株主総会の議事録等

届出先・・・・事業所管轄の年金事務所(健康保険組合)

提出期限・・・速やかに

 

 月額変更(随時改定)の有効期間

 1月~6月の改定はその年の8月まで、7月~12月の改定は翌年の8月まで適用されます。

 

 通勤手当について

 一か月分の定期券代を通勤手当として支給するということを多くの企業が行なっていると思います。この通勤手当が従業員の引っ越し等により変更になる場合も、固定的賃金の変動にあたりますので、月額変更の判定の対象になります。通勤手当の変更だけで2等級以上変わることはあまりないとは思いますが、通勤手当が上がった月から3か月間にたまたま時間外手当のような非固定的賃金の金額が高く2等級以上差が出る場合は月額変更の手続きをする必要があります。ちなみに、通勤手当は下がったが、時間外手当の影響で2等級以上あがるような場合は手続きの必要はありません。

 

 

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