採用面接について
自社で出したハローワークの求人票や求人広告を見て、入社希望者から連絡があったら行う必要があるのが採用面接です。採用面接は入社希望者の仕事への熱意、適性、将来性などを計る機会というだけではなく自社のことをよく知ってもらう絶好の機会です。採用面接は会社と入社希望者双方にとって不明点をなくすための最初の重要な場面です。
採用面接担当者の選出
適任である採用担当者を選出することは、会社が望んでいる人物を採用できるかという点からも、入社希望者に与える会社についての印象からも重要な問題です。そういう意味において採用面接担当者は最低限次のような条件を備えている人物であることが求められます。
・個人情報を取り扱いますのでこれをデリケートに守れる人物
・他人に対し思いやりがあって親切な人物
・たとえ要領の得ない話だったとしても、じっくり忍耐強くきくことができる人物
そして最後に
・自社の経営理念や方針、向かうべき方向性を理解し、分かりやすく人に説明ができる人物
選出のポイント
・採用面接を受ける人にとっては面接で会った担当者の魅力が会社の魅力となるので会社内で活躍している人物を採用面接担当者に選出することをお勧めします。
・職種別あるいはコース別採用の場合、現場責任者が入社希望者の適性判断や入社希望者への理解に適していると思いますので現場責任者を採用面接担当者に選出することをお勧めします。
・経営トップが採用に熱心であることを面接を受ける人にアピールすることができますので出来うる限り社長以下経営陣が面接を務めることをお勧めします。ちなみにですが元リクルート会長の江副浩正氏について、これはと思った人材の面接に対しては、銀行頭取の面会約束ですら足蹴にして自分自身で面接をしたそうです。
面接に当たり心がけておくべき姿勢
・採用面接を受ける入社希望者は、程度の差はあれ緊張状態にあります。緊張状態にある初っ端から核心を突く質問をしないようにしましょう。面接で重要なことは面接を受けている人の実力を引き出すことです。ある程度リラックスさせ順をおって核心に迫っていくイメージで進めていきましょう。
・採用面接担当者の中には自分自身の会社を卑下したような対応をしている方がいます。入社希望者は入社したいと思っているからこそ面接を受けているわけですから、自社に対して自信をもって(しかし傲慢にならず)対応しましょう。
・抽象的な質問をしていては入社希望者の本音を聞き出すことが難しいです。実際にあったエピソードや実際にとった行動、過去の事実について話をしてもらい、それについての感想や意思を引き出してその人の人物像や人柄を明らかにしていきましょう。
・仮に面接途中に合格の基準に達していなくて不合格と決めたとしても御座なりな態度になるのはやめましょう。自社の製品を購入してくれているお客様かもしれませんし、自社の印象を悪くしないよう、最後までしっかりとした対応で面接を終わりましょう。
面接の限界について
一般的に面接は最も重要視される採用の選考手段ではあるかと思いますが、その限界についてよく理解した上で実施しなければなりません。
・採用面接担当者の主観や好き嫌いで正確な判断ができていない場合があります。また、採用面接担当者も人間ですから担当者同士で評価に多かれ少なかれ違いが生じます。応募者が多数いる場合には、応募者全てに対して綿密で一律的な面接を施すことはほぼ不可能です。・時間的に制限がありますので、一時的一瞬現れた面接を受けている入社希望者の態度を相対的な特徴と捉えがちになります。つまり、良くも悪くも部分的な印象で全人格としてしまう傾向がでてしまうということが起こり得ます。
・面接を受けている入社希望者に多かれ少なかれ緊張を与えるため、ありのままの姿が見えにくいことがあります。
1回~数回、数時間の面接で入社希望者の全てが分かるはずはありません。採用面接は最重要ではありますが、採用の精度をあげるためには面接だけではなく教養テストや適性検査なども織り交ぜて運用していく必要も出てきます。